らくガキ日記

アモイ在住の兼業イラストレーターの日記

北京一夜 その2<歌詞の内容>

前回は北京一夜の歌詞の意味を追求する事になった状況を説明しました。有名な歌ですので、”北京一夜, 歌詞”で検索していただければ歌詞を読む事ができると思います。ここではまず、みなさんに歌詞の内容を理解していただきたいので、私が日本語訳したものを以下に記載させていただこうと思います。間違えていたらすみません。


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北京一
(One Night in Beijin)


作詞:陈升、刘佳慧
作曲:陈升
いい加減な日本語訳:高橋ジュン



北京での一夜
私はその日が忘れられない 
あなたがその事を愛していようと、愛していまいとそんな事は関係のないこと
そんなことはすべて歴史の塵に過ぎないのだから


北京での一夜
私はその日が忘れられない
あてどなく夜道を歩いていると
花園の深淵に辿り着いてしまうだろう


人は言う
花園の深淵には一人の老人が住んでいる
花靴(刺繍が入った伝統的な靴)を繕い
もの静かに佇む老人は
出征した帰らぬ人を今でも待っているんだ


北京での一夜
そんなにお酒を飲む必要なんてないんだよ
地安門の前に行ってみればいい
そこで心を動かされない人なんていないんだから


北京での一夜
私はその日を忘れることができない。
酒をあおり、声高らかに歌っていたのは
北方の狼族(遊牧民族)だったんだ


人は言う
北方の狼族は
寒風が吹きすさぶ中で城門の前に立ち続けていた
錆び付いた鎧を身に纏いながら

”城門よ開け”と叫んでいたんだ

目に涙を溜めながら


ああ、私達は一千年の時を待ったのだ
でもなぜ今だに城門は開かないんだろうか

ああ、私達は一千年の時を待ったのだ
でもなぜ良き人は今だ帰ってこないんだろうか


北京での一夜
私はその日を忘れられない
あてどなく夜道を歩いていると
傷ついた心が揺り動かされてしまうんだ


北京での一夜
あてどなく道を歩いていると
あなたは地安門に辿り着いてしまうだろう


もう問いかけることは終わりにしよう
あなたは一体どこにいってしまたんだ?と
もうあなたのことを思ってもしょうがないことは分かっているんだ
あなたはもう帰ってこれない人なのだから
でもどうしてもあなたの心を思ってしまう
でもどうしてもあたたの顔を思い出してしまうんだ
私の胸に突き刺さった一本の棒切のことを考えてしまう
その棒切れはけして私の胸から引き抜くことはできないし、
引き抜いてはいけないものなんだ



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以上がわたしが取りあえず付けてみた訳文です。正確ではないかもしれませんが概要は理解していただけると思います。

私は最初、その題名からワンナイトラブの甘く切ない恋愛の歌かと思ったのですが、良く聞いてみるとそんな色っぽい内容ではありませんでした。逆に歴史を描いたハードな内容です。そして中国語レベルが非常に低い私でさえ、その歌の力に引き込まれてしてしまいました。この歌詞の中にはその魅力の源となる何らかの意味とその意味を伝えたい作者の欲望があるはずです。そもそも謎が多い歌詞です。なぜ、北京での一夜なのか?、北京での日々ではだめだったのか?、ということは特定の日なのか?。また狼族ってなんなのでしょう。なぜ作者は大昔の遊牧民に感情移入する必要があったのでしょうか?。地安門!?、北京ではもっと有名な門があるでしょうに・・・。

ここからは完全に私の妄想の領域に入る事にいたします。作者の方に一切の責任はございません。

おそらく北京一夜とは特定の日を指しているのだと思います。そしてその日の情報は歌詞の中に描かれていますが、何らかの理由により意図的に隠されています。例えば、その日を指し示す情報を全て逆転して置き換えてみるのはどうでしょうか? 古代を現代に、冬を夏に、夜を昼に、そして、歌詞に出てくる地名は地安門、地を天に逆転すると天安門、そうです。その日とは1989年6月4日、第二次天安門事件の日になるでしょう。

<その2 おわり>

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今日、嫁が日本に旅立ちました。
実家のみなさま、不束な息子の不束な嫁ですが、どうかよろしくお願いいたします。