らくガキ日記

アモイ在住の兼業イラストレーターの日記

妄想中国論07”簡易入浴法”


 本日は予定を変更して、中国の田舎における入浴法(簡易)をご紹介したいと思います。中国では湯船につかる習慣は基本的にはありません。シャワーのみで体を洗います。夏は問題はないのですが、冬は大陸独特の厳しい寒さが訪れます。私は沖縄より南のアモイに住んでいますが、冬場にシャワーだけを浴びるのはなかなか厳しいです。特に内陸部の田舎は寒さは厳さを増します。水も豊富ではありません。水圧も低いので、毎日シャワーを浴びるのは現実的ではありません。かといって田舎の方が身体を洗っていないかと言うと、けしてそうではありません。実際には、なかなか合理的なやり方で身体を清めているのです。以下にその方法を簡易入浴法として述べて見たいと思います。


<用意するもの>
洗面器、タオル、椅子、やかん一杯の熱湯(魔法瓶にいれるとさらに良い)<その1>
洗面器に熱湯を入れ、タオルを浸し、適度に絞って、蒸しタオルを作る。


<その2>
顔、耳、頭髪、首筋と順番に拭いていく。


<その3>
腕、胸、腹、脇、背中と順に拭いていく。蒸しタオルが汚れたり、温度が下がったら適時お湯で洗います。


<その4>
股間、お尻、足と順に拭いていきます。服は脱がずに行います。


<その5>
最後は裸足になって、足をお湯をはった洗面器につけて足湯を行います。このころにはお湯の温度も下がっているので、熱湯を少しずつ追加して快適な温度に保ちます。


<その6>
体が暖まってきたら、残り湯でタオルを洗い、足を拭いて終わりです。


 田舎ではこの簡易入浴法を行ってから就寝します。シャワーを浴びるのは一週間に一回ほどです。ほとんどの女性は髪が長いので、日中の温かい昼下がりに洗髪だけを行います。私も嫁の実家に帰っているときはこの入浴法を行ってから寝ております。もちろん湯船につかるほどの温かさと爽快感はありませんが、洗面器一杯のお湯で意外とスッキリできるものだと感心できるものです。湯船の爽快感が100%だとすると、30〜40%位はあるのではないかと思います。
 日本の入浴システムは本当にすばらしいものです(実際、私の日本にかえる一番の楽しみは湯船に浸かることなのです)。ですが、この入浴という習慣によって日本人の行動力が制限されている一面も否めないと思うのです。できれば、この簡易入浴方法をアウトドアや長期旅行、そして、特に災害時のライフラインの不足している状況において、ご活用していただければと思っております。

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本日もらぐガキ日記にお出でいただきありがとうございました。
今回の地震での皆様のご心痛をお察し申し上げます。
何のお力添えもできず申し訳ありません。
窮地に至ったときの、私欲を超えた助け合いに日本の力の本質があるのだと思います。私は不死鳥のように復活する日本を信じております。