らくガキ日記

アモイ在住の兼業イラストレーターの日記

Dream 50 その10(完成)


学生時代、実家から駅への道の途中のバイク屋さんに
ホンダの Dream 50が展示されていました。

夜中に自転車で家に帰る途中など、
私は休みついでにショーウインドウ越しによく見とれていたものでした。

当時最新技術を投入したバイクでしたが、意味合いとしては
50,60年代のバイクの復刻版の意味合いが強かったように思います。

今思えば、名前に付けられたDreamということばは、未来に対する夢ではなく、
過ぎ去ったオートバイの黄金時代に対する夢だったのかもしれません。

日本がゆっくりと後ろを振り返ろうとしていたとき、
その動きの結晶体に何も知らずに心を奪われていたのが、
20才当時の私でした。

かつて、アメリカの黄昏の時代にハーレーダビットソンに乗り、
大陸を失踪するイージーライダーという映画がありました。

もし、日本で同様の映画を撮るなら、出演する一台に選ばれるのは、
このDream 50なのではないかと妄想してしまいます。

私が青春だったころに生産されたDream 50たちは、
いつか訪れる日本の新しい若者たちと疾走する日々のことを
今も静かに夢見ているのだろうと思うのです。

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